新皮質局所回路と大脳システム回路の統合的解析

大脳皮質は多くの領域から構成され,それぞれが機能分担をすることで知覚,運動,思考といった我々の知的活動を支えています。大脳皮質がどのようにしてこのような複雑な情報処理をしているかは未だに大きな謎になっています。この仕組みを知るためには、皮質内神経回路の構造と機能を明らかにする必要があります。当研究室では大脳皮質局所回路の構築原理を解明することを目標としています。

 そのために、現在は1次・2次運動野に焦点をあて、構成ニューロンタイプを皮質外投射・電気的性質・形態・分子発現など多方面から同定し、前頭皮質領域分化を考慮にいれながら、神経細胞タイプごとのシナプス結合パターンや in vivo発火特性等を生理学と形態学の手法を組み合わせて調べています。新皮質局所回路と大脳システム回路を統合的に解析することで、ニューロンタイプの機能分担や層構造の役割、さらに運動野から感覚野・海馬・視床・基底核・小脳などへの多様な投射や、大脳の局所・大域クロックの機能的意味を探求していこうと考えています。

もっと詳しく知りたい方は、発表論文の中の論文の末尾に付いている概要をご覧下さい。

大脳皮質の神経回路の説明文(一般向け) 皮質5層の錐体細胞 (左) と FS バスケット細胞 (右)