心循環シグナル研究部門
Division of Cardiocirculatory Signaling
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1.イオウ循環・代謝によるレドックス恒常性制御基盤の構築

活性酸素(Reactive OxygenSpecies: ROS)は古くから細胞毒として考えられてきましたが、その一方で様々な細胞応答を引き起こすシグナル仲介分子としても働くことが明らかにされ、いわゆる酸化還元(レドックス)の概念で創薬ストラテジーを立てることが難しくなってきています。私たちは、ROSと生体分子との反応で生じる2次生成物(親電子物質)が心不全などの慢性病態・疾患の誘導因子となること、およびポリ硫黄化物をはじめとする活性硫黄種が親電子物質を消去する求核置換基として心筋保護に働くことを新たに見出しました。最近では、心臓では活性硫黄が作られておらず、体肺循環を介して心臓に蓄積する機構が存在する可能性も見出しています。当部門では、心筋老化の誘導因子として新たに見出した親電子物質(8-nitro-cGMP)を疾患の実態を反映する内因性物質と捉え、親電子物質とその求核置換代産物の量的変化と病態との関連を示すことで、硫黄循環・代謝を基軸とした新奇な生体レドックス恒常性制御基盤を構築することを目指します。



Figure. Putative mechanism of regulation of cardiac redox homeostasis by cardiocirculatory reactive sulfur species (RSS). RSS function as a nucleophile, directly eliminating endogenous electrophiles that are major causes of chronic cardiovascular diseases.