細胞機能のすべては,細胞膜におけるチャネル(イオンチャネル,水チャネル)やトランスポータ(キャリア,ポンプ)の働きによって担われ,支えられている。私達は容積調節や吸収・分泌機能や環境情報受容などのように最も一般的で基本的な細胞活動のメカニズムを,チャネル,トランスポータ,レセプター,センサー,メッセンジャーなどの機能分子の働きとして細胞生理学的に解明し,それらの異常と疾病や細胞死との関係についても明らかにしようとしている。主たる研究課題は次の通りである。
(1)「細胞容積調節の分子メカニズムとその生理学的役割」:細胞は(異常浸透圧環境下においても)その容積を正常に維持する能力を持ち,このメカニズムには各種チャネルやトランスポータやレセプターの働きが関与している(図1)。これらの容積調節性膜機能分子,特に容積感受性クロライドチャネル,やそのシグナルの分子同定を行い,その活性メカニズムと生理学的役割を解明する。
(2)「アポトーシス,ネクローシス及び虚血性細胞死の誘導メカニズム」:容積調節能の破綻は細胞死(アポトーシスやネクローシス)にも深く関与する(図2)。これらの細胞死誘導メカニズムを分子レベルで解明し,その破綻防御の方策を探求する。特に,脳神経細胞や心筋細胞の虚血性細胞死の誘導メカニズムを生理学的に解明する。
(3)「バイオ分子センサーチャネルの分子メカニズムの解明」:イオンチャネルはイオン輸送や電気信号発生のみならず,環境因子に対するバイオ分子センサーとしての機能を果たし,他のチャネルやトランスポータ制御にも関与する多機能性蛋白である。アニオンチャネルやATPチャネルの容積センサー機能およびストレスセンサー機能の分子メカニズムを解明する。
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教 授 岡 田 泰 伸 OKADA,Yasunobu
京都大学医学部卒,医学博士。京都大学医学部講師を経て平成4年9月から現職。 専攻:分子細胞生理学,細胞死の生理学。 |
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助 手 樫 原 康 博 KASHIHARA,Yasuhiro
富山大学文理学部卒,九州大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。昭和58年7月から現職。 専攻:神経生物学。 |
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助 手 清 水 貴 浩 SHIMIZU,Takahiro
富山医科薬科大学薬学部卒,同大学院薬学研究科修士課程修了,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了,理学博士。生理学研究所非常勤研究員,日本学術振興会特別研究員を経て,平成14年7月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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助 手 高 橋 信 之 TAKAHASHI,Nobuyuki
京都大学農学部卒,同大学院医学研究科博士課程学修退学。医学博士。旧通産省旧産業技術融合領域研究所非常勤研究員,生物系特定産業技術研究推進機構派遣研究員を経て,平成14年12月から現職。 専攻:細胞生物学。 |
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特任助手 井 上 華 INOUE,Hana
早稲田大学教育学部卒,同大学院理工学研究科修士課程修了,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了,理学博士。科学技術振興機構研究員,非常勤研究員を経て,平成17年10月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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研究員 浦 本 裕 美 URAMOTO,Hiromi
日本女子大学家政学部卒,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程単位取得退学。科学技術振興機構研究員を経て,平成16年4月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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研究員 LEE, Elbert LEE, Elbert
ノースウエスタン大学卒,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了,理学博士。平成17年10月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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日本学術振興会特別研究員 沼 田 朋 大 NUMATA, Tomohiro
東京学芸大学教育学部卒,同大学院教育学研究科修士課程修了,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了,理学博士。平成18年4月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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日本学術振興会外国人特別研究員 LIU,Hongtao LIU, Hongtao
中国医科大学医学部卒,総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程修了,理学博士。平成18年4月から現職。 専攻:細胞生理学。 |
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日本学術振興会外国人特別研究員 スラバン マンダディ MANDADI, Sravan
ベルハンプール大学(インド)卒,シドニー大学(オーストラリア)大学院博士課程修了,博士(薬学)。生理学研究所研究員を経て平成17年4月から現職。 専攻:細胞生理学。 |