動物実験センター
動物実験センターは,実験動物の供給と動物実験を行うため,生理学研究所および基礎生物学研究所の共通施設として昭和56年4月に設立された。施設は陸生動物室と水生動物室から成り,ラット,マウス,ウサギなどの哺乳類から,カメ,カエル,ウニ,ヒトデなど約30種の動物を飼養・保管し,実験に供している。
再現性の高い動物実験を行うためには,形質のそろった良質の実験動物を用いる事が大切で,そのためには飼養・保管環境のコントロール,飼養・保管動物の健康状態の監視,伝染病の予防など,動物種によって様々な工夫が必要である。また,動物実験を行うための手術室や実験室も用意されており,平成5年度には遺伝子導入動物を用いた実験を行うための実験室,飼養・保管施設などが増設された。
平成12年度には統合バイオサイエンスセンターの設置がきまり,これに伴って生理学研究所動物実験施設は岡崎国立共同研究機構動物実験センターとして機構共通の研究施設に位置づけられた。平成14年度にはE地区に統合バイオサイエンスセンター棟とともに動物実験センター棟が竣工し,完全なSPF施設として稼働している。E地区棟においては,遺伝子改変マウスの飼養・保管の他,系統動物の維持や保存,受精卵や初期胚の凍結,移植などが実施されている。
平成19年度から,新しい自然科学研究機構動物実験規程に基づく動物実験が開始された。平成20年度には,水生動物施設が全面改修され,また明大寺地区においても,SPF施設が稼働し始めた。
動物実験センターでの研究課題:実験動物の皮膚科学・形成外科学領域の研究および伴侶動物の病態研究
当センターでは,下記の研究を進めているところである。
1.皮膚科学および形成外科学領域を中心とした病態モデルの作出:ヘアレス動物およびニホンザルの皮膚を用いて,表皮あるいは真皮に存在するメラノサイトの機能を調べている。さらに,創傷治癒の転帰を形態学的に検索してヒトへの外挿を目指している。
2.伴侶動物の腫瘍細胞バンクの創設
3.伴侶動物の肥満症の病態研究
4.モルモットを用いた妊娠中毒症の研究
5.実験動物飼育管理技術の開発
センター長 (併任)
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教 授 南 部 篤 NAMBU, Atsushi
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職 員
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准教授 木 村 透(生理学研究所兼務) KIMURA, Tohru
東京農工大学農学研究科修士課程修了,博士(獣医学),日本農産工業(株),埼玉第一製薬(株)を経て,平成17年6月から現職。
専攻:実験動物学,獣医皮膚科学,形成外科。
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