生理学研究所年報 年報目次へ戻る生理研ホームページへ

はじめに

 生理学研究所年報第25巻を刊行する運びとなりました。本年報は平成15年4月1日より平成16年3月31日にわたる生理学研究所の事業活動、特に研究活動の報告を目的としております。
 生理学研究所は平成16年4月1日より「大学共同利用機関法人」として国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、および分子科学研究所と共に自然科学研究機構を形成することになりました。したがって、本年報は岡崎国立共同研究機構の一機関としての生理学研究所の最後の年報となるわけです。
 生理学研究所の平成15年度はその一年後の「法人化」と「山手地区新研究棟への拡張移転計画」(生理学研究所の約50%の研究室の移転)をひかえて、きわめて多忙でありました。年度当初はこれらの事業計画の実行が研究活動に及ぼすであろう深刻な影響が危惧されたのでありましたが、本年報の報告からも明らかなように、生理学研究所の研究活動はこのような「危機」の間にも何ら「陰り」を見せることはありませんでした。これはまさに所員一同ひとりひとりの努力と積極的な協力が然らしめたところでありまして、生理研の「力」と「輝き」を体験できたことに深い喜びを感じている次第であります。
 生理学研究所は平成15年度にも多くの新進気鋭の研究員を迎えることができました。特に、11月には生体恒常機能発達機構研究部門と生殖・内分泌系発達機構研究部門にそれぞれ鍋倉淳一教授と箕越靖彦教授が、また、12月には神経機能素子研究部門に久保義弘教授が着任されました。
 「わが国の基礎科学の基盤研究所として、基礎科学を推進する」という生理研のその創設以来の使命は「法人化」後も変わりありません。「危機」にあってもなお多くの新しい「力」を得た生理研は、その本来の使命を忘れることなく、さらに努力を重ねる覚悟であります。

平成16年12月

生理学研究所所長 水野 昇


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