生理学研究所年報 年報目次へ戻る生理研ホームページへ

技術課

大庭明生

1.概要

 今年度の人事は,平成15年3月に動物実験技術係・鈴木千香係員の退職があった。4月の研究所の組織再編に伴い永田治係長と森将浩係員を発達生理学研究系,戸川森雄主任を生体情報研究系,竹島康行係員を生体調節研究系,山田元係員を分子生理研究系へ配置換した。7月に生体調節研究系技術係・高須千慈子係員の退職があった。9月に大脳皮質機能研究系技術室の神谷絵美係員の育児休業があり,それに伴い鈴木恵を代替契約技官として採用した。12月には発達生理学研究系の教官着任に伴い斉藤久美子係員と吉友美樹係員を配置換えした。また生体システム研究部門に伊藤昭光係長を配置換えした。育児休業にあった福田直美係員の職場復帰(9月)があった。

 第3期技術部会(エレクトロニクス工作部会,機械工作部会,凍結技法部会,バイオインフォマティクス部会,安全管理部会,科学英語会話部会,技術士・特許部会,非侵襲技術部会)の活動を引き続き行った。また本年度も研究活動への貢献を一層進めるために下記の事業を引き続き実施した。

〈1〉生理科学実験技術トレーニングコースでの技術指導

 本年(7月26日−7月30日)も標記の1コース『生理学実験のための電気回路・機械工作』を担当し,8人の若手研究者の技術指導に当たった。

〈2〉科学研究費補助金(奨励研究)申請の推進

 業務を展開していくための問題意識の養成とその解決のための具体的な展開計画,方法の立案能力の養成およびそのための表現力と説明力の養成を通じ,業務上の技術力の総合的な向上を図ることを目的に行っている標記の申請は,20課題を申請し,2課題の採択を得た。採択者と採択課題は下記の通りである。
 (1)永田治技術係長:脳高次機能研究のための生体磁気計測における伏臥位用視覚刺激装置の作製
 (2)斉藤久美子技術係員:In vivoにおける各組織のグルコースと脂肪酸取込速度の同時測定法の開発

〈3〉課題報告型技術シンポジウムの開催

 研究の高度化と多様化は技術職員のスキルに大きな変革を迫っている。時代要請に対応したスキル認識と向上を目指した新しい基盤に立つ研究会の立ち上げによる技術系職員の業務の社会的開示を推し進めるために科学研究費補助金(奨励研究)の採択者による第4回の報告会を開催した。

〈4〉成茂神経科学研究助成基金申請の推進

 課員の研究支援力の強化と向上さらに組織の自立のためには多様な資金の確保が今後重要な課題となる。今回小木曽昇技術主任が,標記の基金に申請し,海外渡航費が採択され,米国実験動物学会(シアトル)に出張した。今後も課の企画事業を進めるために申請を推進する。

〈5〉放送大学利用による職員研修の開講

 放送大学利用による専門研修を行った。研修科目は『認知科学』と『ベンチャー企業論』を選び,各5名が受講した。課の研修室には放送大学受信システムを整備したので,課の企画による専門科目の再学習としても今後は企画したい。

〈6〉第4回機械工作基礎講座の実施

 生理学実験に必要な機器を題材に工作技術を研修し,その研修後の作成機器が実際の研究現場で活用できることを目的に,第4回機械工作基礎講座を開講した(共通研究施設・機器研究試作室)。参加者数は9名,題材は一軸式簡易型マニュプレータである。

〈7〉生理学技術研究会の開催

 第26回を基礎生物学研究所技術課と合同開催した(平成16年2月19日−20日)。会では,口演発表が30題,ポスター発表が42題,研修講演として『神経細胞急性単離法と各種穿孔パッチクランプ法を利用した抑制性神経回路機能の発達変化の検討』(鍋倉淳一,生理学研究所)と『大規模アグロバクテリウム形質転換法と強力なポジティブ・ネガティブ選抜法を基盤としたイネの遺伝子ターゲティング法の開発』(寺田理枝,基礎生物学研究所)を行った。これらの報告は『生理学技術研究会報告』にまとめた。

〈8〉機構長招聘三技術課合同セミナーの開催

 第5回を開催した(平成15年12月9日)。開催テーマは『バイオテクノロジーと産学連携』で,4題の研修講演を行った。今回も東海地区大学への案内と岡崎商工会議所を通じての民間企業への案内を行い,会の拡充を進めた。会の講演内容は『機構長招聘三技術課合同セミナー報告書』としてまとめた。

 

 2.施設の運営状況

〈1〉生体磁気計測装置室

永田 治,竹島康行

【概要】

 本年度は,全頭型生体磁気計測装置の調整が終了し旧BTiシステムからの移行作業もほぼ完了した。同時に刺激システムにおいても予備実験その他調整作業が終了し適宜本実験が開始されているが,新規ユーザにおける操作トレーニングも平行して行っている。システム全体としては,すべてのチャネルはスペック以下のノイズレベルで問題なく稼働しているが,チューニングにおいてはセンサ数が306chと多いため30分から場合によっては1時間ほど必要である。また,LHeの充填は1週間に100リットルの充填が必要となっている。
 使用状況は,多くが座位による計測であるため視覚刺激の場合透過スクリーンによる刺激画像表示を使用しているが,伏臥位においてはシールドルーム天上面への投影が必要となるため新たな機材を検討しなければならない。痛覚はレーザを炭酸ガスからYAGレーザに変更したことで,ビームの誘導が光ファイバにより容易に可能となったため,より柔軟な対応ができる。ただし,レベル4クラスのレーザであるため細心の注意を要し,被験者および実験者の安全対策を徹底させる必要がある。電気刺激等においてはセンサに対して大きなノイズの混入は見られず,刺激位置を考慮すれば問題なく使用できている。初期不良も改善され問題なく稼働しているが,UPS装置など旧機材には寿命により更新が必要な部分も出てきており検討が必要である。

 

〈2〉脳機能計測センター

(1)形態情報解析室

山口 登

【概要】

 今年度における超高圧電子顕微鏡共同利用実験は,合計11課題が採択され,その内10課題が実施された。これらの共同実験の成果は,超高圧電子顕微鏡共同利用実験報告の章に詳述されている。超高圧電子顕微鏡の年間の利用状況を表にまとめたので下記に示す。稼動率は,利用日数と使用可能日数より求めている。本年度の主な超高圧電子顕微鏡の改良・修理としては,Condenser Stigmatorの修理,真空バルブ開閉用エアーバルブおよびエアーバルブ駆動用コンプレッサーの交換作業などが行われた。

 2003年度 超高圧電顕月別稼動率

年  月

総日数

休日

調整日

使用可能日  数

所内利用

所外利用

稼働率

備  考

2003年4月

30

9

4

17

4

0

4

24%

 

5月

31

10

4

17

2

2

4

24%

 

6月

30

9

11

10

4

0

4

40%

修理 8日

7月

31

9

1

21

8

13

21

100%

修理 1日

8月

31

10

4

17

9

4

13

76%

 

9月

30

10

5

15

8

2

10

67%

 

10月

31

9

9

13

13

0

13

100%

修理 6日

11月

30

12

4

14

9

3

12

86%

 

12月

31

12

4

15

6

6

12

80%

 

2004年1月

31

12

4

15

3

11

14

93%

 

2月

29

10

1

18

1

17

18

100%

 

3月

31

8

4

19

8

2

10

53%

 

366

120

55

191

75

60

135

71%

 

フィラメント点灯時間  417.8時間

使用フィルム枚数    5,068枚

 

(2)機能情報解析室

佐藤茂基

【概要】

 今年度におけるリアルタイム装置の利用状況は,採択研究課題数4題で,全ての研究課題は実施された。

 今年度の装置整備状況は,主な事項として次の通りである。今年度は長期間の修理を要する故障は起きず,比較的安定した稼働状態であった。9月にデータ解析用コンピュータのハードディスクが故障し修理交換を行った。11月には画像印刷用カラービデオプリンターが故障した為,修理を行い対応した。

 共通機器であるフィルム自動現像機の整備点検を行った。

 平成15年度のMR装置利用実績を別表に記す。

 

【機器利用率】

平成15年度リアルタイム装置月別稼働率

年月

総日数

保守

使用可能

所内利用

所外利用

利用率

備考

2003年4月

30

1

29

0

11

11

38%

 

5月

31

1

30

0

5

5

17%

 

6月

30

1

29

0

8

8

28%

 

7月

31

1

30

0

4

4

13%

 

8月

31

1

30

0

5

5

17%

 

9月

30

3

27

0

6

6

22%

ハード故障,停電

10月

31

3

28

0

5

5

18%

停電

11月

30

1

29

0

5

5

17%

プリンター故障

12月

31

1

30

0

5

5

17%

 

2004年 1月

31

1

30

0

7

7

23%

 

2月

29

1

28

0

7

7

25%

 

3月

31

3

28

0

5

5

18%

定期点検

366

18

348

0

73

73

21%

 

*保守以外の祝祭日は,使用可能日に含めた。

 

(3)生体情報処理室

吉村伸明,村田安永

【概要】

 生理学研究所における当施設の利用形態は,生体情報解析システム(高機能ワークステーション+アプリケーション,高画質フルカラープリンタ等),情報サービス(e-mail,WWW等),プログラム開発及びメディア変換などに分類することができる。また,これらを円滑に運用していくためには,所内LANの管理,整備や情報セキュリティの維持も重要である。このような現状をふまえたうえで,情報ネットワーク管理室とも連携しながら,施設整備を進めている。

 生体情報解析システムは,データ解析・可視化,信号処理,画像処理,数式演算,統計処理,電子回路設計などの多くのアプリケーションを備え,これらは高機能ワークステーション上での利用のみならず,各部門施設のPCに直接導入し,ライセンスサーバで認証を行うことでの利用も可能である。登録者は78名で,研究推進のための積極的な利用がある。

 本年度は「岡崎国立共同研究機構情報セキュリティポリシー」等が施行され,情報ネットワーク利用者はセキュリティ確保の為の義務を負うこととなった。その啓蒙を行うと共に,ウィルス除去ソフトの供用を開始した。

 生理学研究所のネットワーク利用状況は,メール登録者が414名。WWW登録者が48名。LANの端末数が1264台。所外からのメール受信数は12,000通/週。所外へのメール発信数は3,300通/週。検出したウィルスメールは400通/週。

 WWWは一年間に17万台の端末からアクセスがあり,総アクセス数は750万回。所内向けのダイヤルアップサービスは74回/週,7時間/週の利用があった。

 

 〈3〉動物実験センター

佐治俊幸,小木曽昇,廣江猛,鈴木千香

【概要】

 平成13年度3月末に竣工した山手地区分室も順調に稼働し,全飼育室での実験動物の飼育が開始された。

 山手地区分室増築に対しての運営経費増額が認められなかったため,運営経費の不足分を補うために受益者負担の原則にのっとり,飼料代とは別に飼育費の徴収を実施した。しかし,飼料代及び飼育費共に予算振替は校費(現運営費交付金)からしか行えず,外部より取得した予算(科研費,委任経理金等)からの支出が出来ない。これにより,予算振替が出来ない問題が発生した。今後,外部資金導入が進む研究環境において,解決しなければならない課題である。

 

【明大寺地区 陸生動物室】

 平成15年度の飼育室利用部門数は,23研究部門(生理研15部門,基生研5部門,統合バイオサイエンスセンター3部門)であった。

 動物飼育数の増加傾向は頭打ちの傾向を示しているが山手地区SPFエリアでの飼育が本格化しだしたため,飼育数増が予想される。

 山手地区分室へ移動する飼育動物の受精卵凍結は順調に進行し49件を完了させた。また,一般の受精卵凍結及びクリーンアップも35件を実施した。

 動物の授受に関しては,国内相手では,43件の搬入,39件の搬出。海外相手では,14件の搬入,1件の搬出があった。57件の搬入動物に関して,当センターの搬入基準に合致し,そのまま飼育室へ搬入出来たのは約半数であり,残りはクリーンアップ等の作業が必要となった。

 設備機器の故障が目立ち,EOG滅菌器の故障では,長期間にわたりガス滅菌が行えない状態が続いた。今後も機器の老朽化による故障は多発すると思われる。

 

【両地区 水生動物室】

 平成15年度の水生動物室利用状況は,生理研・基生研両研究所あわせて6部門・施設,36件の利用があった。

 主なトラブルとしては,加熱冷却ユニットの動作不良が4件あり修理及び更新を行った。

 明大寺地区水生動物室内に恒温室及び多架水槽の設置希望があり,使用部門予算にて設置をした。この設置に伴い,5基の水槽の移設を行った。内3基は,山手地区へ移設した。

 山手地区水生動物室内に遺伝子操作魚の飼育エリア設置希望が出され,統合バイオサイエンスセンターの予算にて設置した。

 

【山手地区 動物実験センター分室】

 平成15年度の利用部門数は14研究部門(機構1施設,生理研6部門,基生研2部門,統合バイオサイエンスセンター5部門)で利用者は,利用講習会及び実務講習会を行い,受講者総数は93名であった。

 マウスのSPF化には,受精卵の融解・移植,微生物学的検査などの手続きがあり,系統維持動物の繁殖,実験への使用までに期間を要することから,動物飼育数は緩やかな増加傾向となっている。

 SPF区域で飼育中のマウスについては,定期微生物モニタリングを行い,全室で病原性微生物がネガティブであることを確認した。

 センターより研究室へ持ち出した動物を再搬入する飼育室として,1Fにマウス,ラット用飼育室各1室を用意した。

 

【その他】

 平成16年度からの法人化が決定され,労働安全衛生に関する所轄が人事院から労働基準監督署へ移行する。このために必要な機器の点検改修等が行われた。
 ・明大寺地区エチレンオキサイド配管の改修
 ・明大寺地区  〃  屋外ボンベ庫の設置
 ・明大寺地区 検査室ドラフトチャンバの設置
 ・オートクレーブ(第一種圧力容器)の点検及び登録
 ・向精神薬試験研究施設設置者登録証の変更
 ・サル 飼養登録票の変更
 その他,必要と思われる特定化学物質,第一種圧力容器取扱,有機溶剤作業主任者講習の受講を実施した。

 

陸生動物  部門別・動物種別搬入数(平成15年度)

部門      動物種

マウス

ラット

モルモット

ウサギ

サル

神経化学

363

 

 

 

 

超微小形態生理

 

14

 

 

 

細胞内代謝

132

 

 

 

 

生体膜

240

124

79

 

 

機能協関

745

254

5

 

 

分子神経生理

2,864

2

 

 

 

液性情報

173

86

 

 

 

高次神経機構

3,875

14

 

 

 

感覚認知情報

 

 

 

 

5

生体システム

 

2

 

 

9

認知行動発達機構

87

66

 

 

10

脳形態解析

284

290

44

 

3

大脳神経回路論

4

59

 

 

 

形態情報解析室

4

2

 

 

 

生体情報処理室

39

9

 

 

 

生殖内分泌系

 

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動物実験センター

1,586

 

4

 

 


 

 

 

 

 

細胞機構

40

 

 

3

 

細胞内エネルギー変換

140

 

 

 

 

細胞分化

84

 

 

 

 

感覚情報

881

5

 

6

 

種分化第一

240

31

 

 

2

細胞器官培養

93

 

 

 

 

形質転換生物

44

 

 

 

 


 

 

 

 

 

分子発生

1,566

 

 

 

 

神経分化

754

23

 

 

 

ナノ形態生理

20

207

 

 

 

生命環境

2,276

 

 

 

 

細胞生理

343

 

 

 

 

脳機能分子解析室

81

831

 

 

 


7,742

1,125

132

9

29

 

水生動物 月別・動物種別搬入数(平成15年度)

種  月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

合計

コイ

 

8

6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14

メダカ

500

 

 

 

 

 

 

1,000

 

1,000

 

500

3,000

キンギョ

50

 

50

100

 

 

 

 

 

 

 

 

200

ハゼ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3

 

3

ゼノパス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40

 

 

40

ウニ

57

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

57

ヒトデ

 

180

 

 

 

 

 

130

 

60

100

 

470

ホヤ

 

 

 

150

 

 

 

 

 

 

 

90

240

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0

海水(t)

 

10

12

 

8

8

8

 

8

 

 

8

62

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0

 

〈4〉共通研究施設

(1)電子顕微鏡室

前橋 寛

【概要】

 平成15年末に山手2号館の西館が建設され,その3階に電子顕微鏡室が増設された。それにともない,透過型電子顕微鏡が3台移転され,平成16年1月末に日立H-7000(125kv,平成13年10月に理化学研究所から移設)2月にフィリップTecnai 12(120kV)と日本電子JEM-1010(100kV,平成12年2月,東京大学医学部より移設)が移転された。山手地区電子顕微鏡室には,上記3台の他に,新たに3台の透過型電子顕微鏡(フィリップスEM208S,Tecnai10,日立H-7000)が設置された。

 今年度,電子顕微鏡講習会は1日コース「電子顕微鏡の取り扱い」(平成16年1月19日,2名参加)と3日コース(平成16年1月20〜22日,3名参加)が実施され,3日コースの第2日目には永山 國昭教授から講義として「電子位相顕微鏡の原理と実践」があり,その後に「電子位相顕微鏡の実習」(5名参加,講師Radostin Danev氏)があった。

 

 【研究内容一覧表】

 本年度,当室を利用してなされた研究の総件数は40件であった。機構内では30件あり,機構外は,国内で7件,国外ではイギリス,ドイツ,中国の研究者による利用が3件あった。下記の表はその研究部門・施設,大学,研究所と研究内容の一覧表である。

 

 利用内容一覧表
 二研究所

研究所

部門・施設

研究内容


生理研

液性情報

  • イオンチャネル(Naチャネル)の膜輸送解析

分子神経生理

  • 蛍光免疫染色を行ったマウス脊髄の軸索上でのイオンチャネルの分布解析及びマウス脊髄での髄鞘・軸索の形態解析
  • ニワトリ胚の脳における神経前駆細胞の移動の解析
  • ネトリン欠損マウスを用いたオリゴデンドロサイトの発生の解析

大脳神経回路論

  • 大脳皮質の神経回路の研究
  • 皮質−線状体・視床投射系錐体細胞と抑制性介在神経細胞の皮質内局所回路の解析
  • げっ歯類大脳皮質のシナプス連絡の研究

脳形態解析

  • NMDA受容体の脳内での分布 左右非対称性
  • AMPA受容体のフリーズフラクチャーレプリカラベリングによる定量的解析
  • NMDA受容体の海馬における分布の解析・小脳片葉のシナプス形態変化の同定

統合バイオセンター
ナノ形態生理

  • 細胞,DNAタンパク質の電顕観察手法に関する研究
  • タンパク質の二次元展開に関する研究・複素電子顕微鏡の研究開発
  • エンドサイトーシス経路の生理機能とメカニズム

機能協関

  • 運動神経細胞の生存機能維持機構の形態学的研究

形態情報解析室

  • 消化管における水チャネルの分布に関する研究

技術課

  • コメツキムシの走査像微細構造観察
  • 脊髄前角ニューロン細胞体の3次元解析


基生研

生殖

  • 生殖細胞の分化の分子機構の解析

細胞機構

  • 高等植物の遺伝子産物の細胞内局在性の解析

種分化機構第二

  • 植物細胞における表層微小管の構築機構
  • 地衣類の微細構造観察
  • ヒメツリガネゴケのプロトプラスト再生時における細胞内の極性観察

細胞増殖

  • ショウジョウバエ脳における神経細胞の微細形態の観察

計時機構

  • 生体膜,特に藍藻類の光合成膜の発達の微細構造的研究

情報制御

  • シロイヌナズナにおける葉緑体光定位運動の解析

感覚情報処理

  • 遺伝子改変マウスを用いた網膜及び神経系の発生に関する形態学的研究

細胞内エネルギ−変換機構

  • 酵母オートファジー機構の解明

発生生物系個別研究

  • 動物組織細胞の超微形態観察

 

所外(国内)

大学・研究所

研究代表者名

研究内容

琉球大学

中村將

魚類生殖腺分化過程の観察及びウニ精子の観察

東京大学

棚橋 貴子

ヒメツリガネゴケFLO/LFY相同遺伝子PPLFY1,PPLFY2の機能解析

東京大学

井川 絢子

ヒメツリガネゴケのPINタンパク質の局在観察

東北大学

稲葉一男

精子べん毛タンパク質の網等的解析

大阪府立大学

加藤 幹男

塩基配列依存のDNA高次構造多様性の可視化

東京歯科大学

橋本貞光

唾液腺傍細胞輸送経路の検討 

獨協医科大学

中館和彦

小脳片葉における平行線維シナプスの超微形態学的解析 

 

所外(国外)

国名,大学,研究所

研究者名

研究内容

イギリスオックスフォード大学

SOMOGYI,Peter

レプリカの観察

イギリスオックスフォード大学

ROBERTS,David

レプリカの観察

ドイツフライブルク大学

KULIK, Akos

膜上機能分子の局在解析

中国K.Kleung Brain Research Centre

WEN ,Wang

グルタミン酸受容体の小脳と海馬の分布の解析

 

(2)機器研究試作室

加藤勝巳

【概要】

 機器研究試作室は多種多様な医学・生物学用実験機器の開発と改良,それに関わる技術指導,技術相談を室の役割としている。今,我々の周りには便利な物品があふれ,自分で工夫して作ったり,改良する機会が少なくなり,新しい研究には新しい研究機器を作るという『ものづくり』が希薄になり,一方で,最近の研究の多様化は室に新たな役割の模索を迫っている。そうした認識のもと,『ものづくり』能力の重要性の理解と機械工作ニーズの新たな発掘と展開を目指すために,室では,2000年度から,医学・生物学の実験研究に使用される実験装置や器具を題材にして,機械工作の基礎的知識を実習主体で行う機械工作基礎講座を開講し,2004年度は,レンズ及びフィルターホルダーの製作を題材にした応用コースと汎用工作機械の使用方法を主体に実習する初級コースの二コースを開講した。参加希望者は,二コース合わせ生理研11名,基生研2名で,ガイダンスの後,マンツーマンで3〜4回の講習を行い,一人のけが人も無く無事に講習を終了する事が出来た。

 なお,機器研究試作室の平成15年度の利用状況は,以下の通りである。

 

 機器研究試作室利用機器表  (件数)

ボール盤

フライス盤

コンターマシン

旋盤

横切盤

グラインダー

切断機

NCフライス盤

その他

4

22

6

19

4

20

18

12

0

32

133

5

15

13

14

6

8

3

0

0

22

81

6

17

12

14

18

4

2

3

1

29

100

7

31

35

25

16

14

4

16

2

42

185

8

17

12

9

10

6

7

2

1

13

77

9

12

18

16

20

6

8

0

0

25

105

10

20

22

22

9

9

8

3

1

18

112

11

19

25

16

8

4

8

1

0

22

103

12

11

10

10

7

5

3

1

0

13

60

1

14

13

15

4

5

9

0

2

12

74

2

8

5

9

3

7

4

3

0

18

57

3

8

6

4

3

11

3

0

2

9

46

合計

194

177

173

108

99

77

44

9

255

1133

 

機器研究試作室利用人数表

生理研

基生研

その他

合計

延べ時間

4

67

8

0

75

69

5

41

1

0

42

81

6

50

5

0

55

75

7

100

1

4

105

221

8

35

5

3

43

88

9

48

1

3

52

96

10

43

3

0

46

95

11

49

2

1

52

86

12

24

6

2

32

56

1

36

0

0

36

57

2

36

1

1

38

35

3

34

3

0

37

78

合計

563

36

14

613

1037

 

認知行動発達機構 110名   感覚認知情報 100名   ナノ形態生理 83名
生体システム 51名   心理生理学 43名   生体膜 29名
機能情報解析室 29名   動物実験センター 28名   脳形態解析 25名
大脳神経回路論 15名   液性情報 14名   感覚運動調節 10名
神経分化 10名   形態情報解析室 9名   神経化学 5名
機能協関 2名   高次液性調節 2名   名誉教授 2名
生体情報処理室 1名   生殖・
内分泌系発達機構
1名   江橋研究室 1名

感覚情報処理 9名   技術課 5名   植物発生 3名
RI実験センター  3名   分析室 3名   遺伝子発現統御第一 2名
細胞機構 2名   生殖 1名   大型スペクトロ 2名
所長室付 2名   エネルギー変換 1名   形態形成 1名
計時機構 1名            

分子研その他 14名

 


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