生理学研究所年報 第27巻
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はじめに

 生理学研究所年報第27巻を刊行する運びとなりました。本年報は平成17年度、すなわち、平成17年4月1日より平成18年3月31日にわたる生理学研究所の事業活動、特にその研究活動の報告を目的としております。
 生理学研究所は岡崎国立共同研究機構の一研究機関として昭和52年(1977年)5月2日に創設されましたが、平成16年(2004年)4月1日より、いわゆる“国立大学法人化”の流れの中で、大学共同利用機関法人自然科学研究機構の一研究機関を形成することになりました。したがって、本年報は法人化後第二冊目のそれとなるわけです。
 “法人化後の生理研においても、「わが国の基礎科学の基盤研究所として、基礎科学を推進する」という生理研本来の使命は毫も揺るがないのでありますが、法人化により新たに加わった法人運営上の業務や事務的な負荷に対処するために、また、法人化後の生理研に対する生理学関連領域の研究communityからの要請応えるために、生理研の組織には既にこれまでにも幾つかの改変が加えられてきました。これらの要請の中でも、「大学共同利用機関としての機能の拡充」は法人化当初より最重要課題の一つと目され、これに対してさまざま方策が模索され、その一部は既に実行されております。特に平成17年度においては「行動解析センターの立ち上げ」と「動物飼育室の一部SPF化」を実現することができました。生理研の自己努力によって達成されたこれらの成果は、厳しい運営経費節減の渦中にあってもなお揺るぎない所員ひとりひとりの献身的な協力によるものと自負するところであります。
 とは申すものの、法人化後に付加された業務の中には「研究・教育」と直接には結び付かないものも少なくなく、そのことが研究・教育活動に悪影響を及ぼすことが常に懸念されるのでありますが、平成17年度の生理研の研究活動は、本年報の報告からも明らかなように、例年度のそれと比較して優るとも劣らないものでありました。
 われわれ所員一同、今後とも心を一つに、生理研本来の使命を忘れることなく、さらに努力を重ねる覚悟であります。

平成18年7月17日

生理学研究所所長 水野 昇


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