コースの構成は,ほぼ前年通りで,月曜日午後に講演と研究部門紹介,火曜日から金曜日までの4日間を実習コースにあてました。その他の行事として,水曜日夕方に交流会,金曜日15時以降に研究室訪問を設定しました。
問題点としては,287名という多数の応募者の内,100名近い人を断らなくてはならなかったことがあげられます。またロッジに泊まれる人が限られているのも毎年の問題です。しかしながら200名近い受講生は,生理研のキャパシティから考えて,少し多すぎるのかも知れません。実際,脳機能画像解析入門のコースでは,人数が多すぎて冷房が効かないといった問題が起こりました。
関連企画としてトレーニングコースの直前に,生理学研究所『バイオとナノテクのアプローチ融合による生体センサー分子機構の解明に向けて』と文部科学省特定領域研究「統合脳5領域」レクチャーコース『神経科学の先端技術:分子・細胞から個体システムまで』の2つのレクチャーコースが催されました。いずれも参加者には好評でしたが,トレーニングコースと合わせて参加するには,期間・旅費の面で難しいという声も聴かれました。
なおトレーニングコース受講者を対象としたアンケートの集計は,生理研ウェブサイトhttp://www.nips.ac.jp/training/2005/TC2005Q.pdfに掲載しています。
- 【実習コース】
(1)
- 位相差断層電子顕微鏡の原理と実践
永山國昭,大河原浩,R. Danev,厚沢季美江(ナノ形態生理)
臼井信光(藤田保健衛生大),新井善博(日本電子)
- (2)
- 凍結割断レプリカ免疫標識法
重本隆一,深澤有吾(脳形態解析)
- (3)
- in situ hybridization法を用いた二重染色法
小野勝彦,田中謙二,等誠司,池中一裕(分子神経生理)
- (4)
- 超高圧電子顕微鏡による生物試料の立体観察
有井達夫,古家園子(形態情報解析室)
- (5)
- 局所神経回路構築の形態学的解析 A:光顕2重染色法,B:超薄連続切片シナプス観察法
窪田芳之,川口泰雄(大脳神経回路論)
- (6)
- 2光子励起顕微鏡法によるシナプス・開口放出の研究
河西春郎,根本知己(生体膜)
- (7)
- パッチクランプ基礎実験技術法
久木田文夫(神経分化),富永真琴,柴崎貢志,富樫和也,東智広(細胞生理)
鍋倉淳一,張一成,前島隆司(生体恒常機能発達機構)
清水貴浩,高橋信之,井上華,ダッタアマールクマール,沼田朋大,岡田泰伸(機能協関)
- (8A)
- パッチクランプバイオセンサー法 A:パッチクランプバイオセンサー法によるATP 放出解析
清水貴浩,高橋信之,井上華,ダッタアマールクマール,沼田朋大,岡田泰伸(機能協関)
- (8B)
- パッチクランプバイオセンサー法 B:穿孔パッチクランプバイオセンサー法による細胞内シグナル伝達解析
鍋倉淳一,張一成,前島隆司(生体恒常機能発達機構)
- (8C)
- パッチクランプバイオセンサー法 C:パッチクランプバイオセンサー法による温度受容解析
富永真琴,柴崎貢志,富樫和也,東智広(細胞生理)
- (9)
- in vitro 発現系を用いたイオンチャネル・受容体の機能解析
岡村康司,岩崎広英,村田喜理(神経分化)
久保義弘,立山充博,中條浩一,藤原祐一郎(神経機能素子)
- (10)
- スライスパッチクランプ法 A:初心者体験コース,B:一般コース
宮田麻理子,佐竹伸一郎,井上剛,佐々木幸恵,井本敬二(神経シグナル)
籾山俊彦(脳形態解析)
- (11)
- ゼブラフィッシュを用いた神経回路機能の解析
東島眞一(神経分化)
- (12)
- 摂食・飲水行動発現機構入門
箕越靖彦,岡本士毅,志内哲也,李順姫,斉藤久美子(生殖・内分泌系発達機構)
- (13)
- 電気生理学及び心理物理学的手法による視知覚メカニズムの解析
小松英彦,伊藤南,小川正,郷田直一,鯉田孝和(感覚認知情報)
- (14)
- 麻酔下動物での電気生理実験
伊佐正,関和彦,西村幸男(認知行動発達機構)
- (15)
- 慢性動物実験法入門
南部篤,畑中伸彦,橘吉寿,伊藤昭光,知見聡美,宮本香奈,高良沙幸(生体システム)
- (16)
- 脳磁図によるヒト脳機能研究の基礎
金桶吉起,柿木隆介(感覚運動調節)
- (17)
- 脳機能画像解析入門
田邊宏樹,定藤規弘,本田学,神作憲司,齋藤大輔,豊田浩士,
荒牧勇,原田宗子,守田知代(心理生理学)
- (18)
- 生理学実験のための電気回路・機械工作 −OPアンプによる増幅器とチェンバー作製−
小原正裕,山口登,戸川森雄,大庭明生(技術課)