はじめに
生理学研究所年報第28巻をここに刊行し、平成18年(2006年)度における共同利用研究機関としての生理学研究所の事業活動、研究成果の報告をさせていただきます。
生理学研究所は、1977年5月に開設されて本年で30周年を迎えました。そして、2004年4月より大学共同利用機関法人自然科学研究機構を構成する5研究機関の1つとなって3年目となりました。「法人化」の後に、生理学研究所は自己努力によっていくつかの組織改編を行いながら、「人体基礎生理学の研究と研究者育成のための唯一の大学共同利用機関」としての役割をよりよく果しうる体制を整えてまいりました。2006年度におきましても、運営費交付金の削減の続く中にもかかわらず、コミュニティ研究者の皆様のご協力と、所員一同の努力によって大きな成果をあげることができたものと自負していますが、関係者の皆様のご評価・ご判定を仰ぐ次第であります。
われわれ所員一同「生体を対象に分子、細胞、器官、個体レベルの研究を推進し、究極において人体の機能を総合的に解明することを目標とする」姿勢を堅持しながら、主として脳の働きと生体恒常性の仕組みについての研究に、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
(なお、2006年度は水野昇前所長の在任期間ではありましたが、2007年4月より所長の任に就いております私からご挨拶させていただきました。)
平成19年11月1日
生理学研究所長 岡田泰伸