教育

機能的MRIをめぐる研究領域は、ここ数年で大きく変わり、かつては人文系といわれた領域から、多数の参入が見られている。この傾向は、大学院生の出身学部にも顕著に現れている。このため、機能的MRI研究を遂行するために必須の神経解剖学的知識や、広く生理学的な基礎知識を前提とすることができず、この点の教育を行う必要がある。5年一貫制が導入されたことにより、基礎的なトレーニングを行う時間的なゆとりができ、この点は改善されつつある。一方で、機能的MRIと深層学習の融合といった計算論的脳科学への展開も急速に進んでおり、理工学的知識を要求される程度が高まってきている。機能的MRI研究を行うに当たっては、MRIの物理的原理の理解にはじまり、心理実験課題の作成やデータ解析におけるプログラミング技能の習得、さらには文献読解に必要な英語力といった、広範囲にわたる基礎学力が前提となっており、相当の努力が学生側にも要求される。実際の実験研究を遂行する中で、教官の適切な指導を受けつつ積極的かつ自発的に課題に取り組むことが期待される。