集団脳機能計測技術の開発

視線・行動定量解析システムの開発

複数の個体の相互作用を、個体の発する社会的信号を視線の動きとして捉える。近赤外光を用いた光学式動態計測ならびに眼球運動計測を行うことにより、視線 の位置と方向を6次元ベクトルの時系列データとして記録する。動的因果関係に基づいた時系列解析モデルを用いて解析することにより、複数の個体間の相互作 用を定量する。 

二個体同時脳血流計測

社会的相互作用時の脳機能計測をさらに推進するため、 3TMRI 2台を生理研地階に導入し、2個体同時計測MRIシステムを構築する。 

研究費の措置

生理学研究所は、2009年度より、文部科学省委託業務による開発研究「脳科学研究戦略プログラム」(http://brainprogram.mext.go.jp/)課題D 「社会的行動の基盤となる脳機能の計測・支援のための先端的研究開発」を分担することになった。
本課題では、社会性を制御する分子と社会性・社会的行動の機能発達に関する研究、2.社会性を制御する報酬・情動系に関する研究、3.社会性障害の理解・ 予防・治療に向けた先導的研究、という3つの研究項目を設定し、代表機関である東京大学と7つの参画機関で研究・開発を行う。生理学研究所においては、定 藤と柿木隆介教授により本課題を分担し、定藤は実際のヒト社会行動における社会能力計測技術として、集団の脳機能・視線・行動計測法を開発する。3T MRIの導入は2009年度補正予算により措置されている。