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植物細胞の分裂をアクチンががっちりサポート

2016年04月25日 研究報告

 植物細胞の分裂面を決める構造として分裂準備帯(preprophase band, PPB)というものがあります。これは、微小管(MT)と呼ばれる細胞骨格繊維が細胞表層に帯状に並んだ構造として認識できます。細胞分裂前にPPBは形成され、細胞分裂の最後に出現する細胞分裂面はこの位置で親の細胞壁と接続します。この初期の段階に、MTとは別の細胞骨格繊維のアクチン繊維もPPBのところに出現しますが、PPBが形成されるとアクチン繊維は消えてなくなることが知られていました。しかし、その働きについてはよくわかっていませんでした。電子顕微鏡ではアクチン繊維はマイクロフィラメント(MF)と呼ばれる繊維状の構造として観察できます。

 本共同研究では、PPB形成過程でのアクチン繊維の働きを調べるために、細胞分裂前のMTとMFの様子を、電子顕微鏡を使って詳しく調べました。その結果、PPB の形成過程でMFがMTを架橋してMTを束ねる助けをすることがわかりました。

 これらの成果は、植物における細胞分裂のメカニズムの一端が明らかにするとともに、将来的に、人工的に細胞分裂の方向を変えることも可能になると期待されます。

 

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科研費・助成金情報

JSPS grant 17207006

MEXT grant 17049019

生理研超高圧電子顕微鏡共同利用研究

共同研究者情報

研究者名:唐原一郎

研究機関名:富山大学

研究者の所属講座名、部門名:理学部生物学科

研究者名:竹内美由紀、峰雪芳宣

研究機関名:兵庫県立大学

研究者の所属講座名、部門名:大学院・生命理学研究科

研究者名:梶村直子、鷹岡昭夫

研究機関名:大阪大学

研究者の所属講座名、部門名:超高圧電子顕微鏡センター

研究者名:梶村直子、鷹岡昭夫

研究機関名:大阪大学

研究者の所属講座名、部門名:超高圧電子顕微鏡センター

研究者名:美崎佳寿代、米村重信

研究機関名:理化学研究所

研究者の所属講座名、部門名:ライフサイエンス技術基盤研究センター

研究者名:L. Andrew Staehelin

研究機関名:University of Colorado

研究者の所属講座名、部門名:MCD Biology

リリース元

Title: Single microfilaments mediate the early steps of microtubule bundling during preprophase band formation in onion cotyledon epidermal cells

Authors: Miyuki Takeuchi, Ichirou Karahara, Naoko Kajimura, Akio Takaoka, Kazuyoshi Murata, Kazuyo Misaki, Shigenobu Yonemura, L. Andrew Staehelin, and Yoshinobu Mineyuki

Journal: Molecular Biology of the Cell

Issue:

Date: 2016.4.6

URL (abstract): http://www.molbiolcell.org/content/early/2016/04/03/mbc.E15-12-0820.abstra

DOI: 10.1091/mbc.E15-12-0820

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