
突発性難聴に対するリハビリテーション療法(ビデオ論文)
突発性難聴とは急速に聴力が低下する原因不明の疾患です。突発性難聴で医療機関を受療する人数は、日本では人口100万人に対して年間275人とされていましたが(2001年度)、最近の報告ではさらに患者の数は高いことが示されています。現在は、突発性難聴に対してはステロイドによる治療が主流となっていますが、残念ながらその科学的根拠は乏しく、様々な新しい治療法が世界中で試みられています。
この研究では、突発性難聴に対してこれまでの治療方法とは大きく異なるリハビリテーション的な治療方法を試みました。具体的には、聞こえにくくなった耳を積極的に使って音を聞くように促しました。ただそうは言っても、聞こえやすい健康な耳ばかりを使いたくなるため、健康な耳には耳栓をして聞こえにくくしたのです。この難聴の耳へのリハビリテーション療法は、通常の薬物療法とは大きく異なっているため、実際に病院で行うには困難な点も多くありました。そこで誰もが無料で視聴することができる「インターネットビデオ」として発表することになりました。
突発性難聴に対するリハビリテーション療法は、副作用がほとんどない上高い効果が見込めるため、多くの突発性難聴患者に役立つのではないかと考えられます。
本研究成果は、以下リンクよりビデオ閲覧ができます(英語)。
http://www.jove.com/video/53264
科研費・助成金情報
科研費若手B(26861426)
COI STREAM (Center of Innovation Science and Technology based Radical Innovation and Entrepreneurship Program)
共同研究者情報
研究者名:関谷健一(せきや けんいち)
研究機関名:名古屋市立大学大学院医学研究科
研究者の所属講座名、部門名:耳鼻咽喉・頭頸部外科学
研究者名:福嶋宗久(ふくしま むねひさ)
研究機関名:関西労災病院
研究者の所属講座名、部門名:耳鼻咽喉科頭頸部外科
研究者名:Henning Teismann、Lothar Lagemann、Christo Pantev
研究機関名:University of Muenster
研究者の所属講座名、部門名:Institute for Biomagnetism and Biosignalanalysis
リリース元
Title: Neuro-rehabilitation approach for sudden sensorineural hearing loss
Authors: Kenichi Sekiya, Munehisa Fukushima, Henning Teismann, Lothar Lagemann, Ryusuke Kakigi, Christo Pantev, Hidehiko Okamoto
Journal: Journal of Visualized Experiments
Issue: 107
Date: 1/25/2016
DOI: 10.3791/53264