
Gi/o共役型受容体・GIRKチャネル複合体形成の機能的意義の解明
Gタンパク質依存性内向き整流カリウム(GIRK)チャネルは、神経細胞や心筋細胞の興奮性を制御する働きを持ち、Gi/oタンパク質およびGi/o共役型受容体と複合体を形成すると考えられています。
私たちの研究グループは、GIRKチャネルとGi/o共役型受容体の複合体形成が有する機能的意義を解明するために、Gタンパク質との結合に重要な役割を持つ細胞内第3ループの大部分をGi/o共役型ムスカリン受容体M2R のものと入れ替えたGq共役型ムスカリン受容体M1R のキメラ受容体MC9、MC9AおよびMC9Bを作製し(図A)、キメラ受容体によるGIRKチャネルの活性化を電気生理学的手法により解析しました。また、蛍光タンパク質YFPを付加したキメラ受容体および蛍光タンパク質CFPを付加したGIRKチャネルを作製し、蛍光タンパク質間で起こるFörster resonance energy transfer (FRET)効率を計測し、各キメラ受容体とチャネルの複合体形成について検討しました(図B)。
GIRKチャネル電流の大きさとFRET効率には相関が認められたことから(図B)、受容体とチャネルの距離が近い、即ち、複合体を形成しやすいほど効率よくGIRKチャネルが活性化されるという受容体・チャネル複合体形成の機能的意義が示唆されました。
リリース元
Title: Gi/o-coupled muscarinic receptors co-localize with GIRK channel for efficient channel activation
Authors: Michihiro Tateyama, Yoshihiro Kubo
Journal: PLOS ONE
Date: Sept 21, 2018
URL: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0204447
DOI: 10.1371/journal.pone.0204447