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THIK channelはGi/oおよびGq共役型受容体により活性化される

2023年05月24日 研究報告

THIK channelは2つのポア領域と4つの膜貫通部位からなり、2量体を形成しカリウムイオンを通すチャネルとして働きます。しかしながら、チャネルの機能を制御する仕組みの有無に関する研究はあまり進んでいませんでした。近年、THIK channel グループのTHIK-1がミクログリアやマクロファージに発現し、その活性化がサイトカイン分泌に関与することが報告されました。また、ミクログリアの多様な機能との関連も示唆されたこともあり、THIK-1の機能を制御する仕組みの有無について関心がもたれています。そこで、我々は、THIK channel グループのTHIK-1 および THIK-2 channelのGタンパク質共役型受容体刺激に対する反応を調べました。その結果、Gi/oおよびGq共役型受容体により活性化されること、それぞれの作用がGi/o阻害剤の百日咳毒およびホスホリパーゼC阻害薬により抑制されることを見出し、Gi/o共役型受容体はGi/o活性化を介して、また、Gq共役型受容体はホスホリパーゼC活性化を介してTHIK channel を活性化することを明らかにしました。さらに、Gbgサブユニット結合モチーフに変異を導入したTHIK channel変異体の実験から、Gi/o活性化により遊離したGbgサブユニットとの結合がチャネル活性化に重要であることが示唆されました。これらの結果は、THIK channel の機能を制御する仕組みの存在を示すとともに、その生理学的意義の解明につながるものと期待されます。


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リリース元

Title:   Regulation of the two-pore domain potassium channel, THIK-1 and THIK-2, by G protein coupled receptors.
Authors: Michihiro Tateyama, Yoshihiro Kubo
Journal: PLOS ONE
Issue:  18(4): e0284962, 2023
Date:  April 26, 2023
URL:  https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0284962
DOI:  0.1371/journal.pone.0284962

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