Research

研究活動

生殖・内分泌系発達機構研究部門

研究部門メンバー

視床下部におけるエネルギー代謝調節機構
脳における味覚、栄養素感受調節機構

  ヒトをはじめとする動物生体は,内的ならびに外的環境の変化に即応しながらも体内の内部環境をできるだけ一定に保とうとする機構を備えており,広くホメオスタシス( 恒常性維持機構) として知られています。とりわけ視床下部は,ホメオスタシスの調節系である自律神経系,内分泌系,免疫系をとりまとめる高位中枢として,個体の生命保持ならびに系統維持のための基本的な諸活動を調整する働きを営んでいます。本研究部門は,ホメオスタシスの中でも,特に,摂食とエネルギー消費機構からなる生体のエネルギーバランスに注目し,視床下部が生体のエネルギーバランスに対してどのような調節作用を営んでいるのか,また味覚や栄養素の感知を視床下部や脳幹がどのように調節しているかを明らかにしたいと考えています。また,その破綻が肥満や糖尿病の発症とどう関わるかを探究しています。主たる研究課題は以下の通りです。

 (1) 摂食行動,糖・脂質代謝,味覚に及ぼす視床下部の調節機構。
 (2) レプチン,アディポカイン,マイオカインの機能と細胞内シグナル伝達機構。
 (3)AMPK の代謝調節作用と病態との関連。
 (4) 糖・脂質代謝解析法の新規開発。
  (5) 味覚を変化させる視床下部神経ネットワーク。。

 

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図1 炭水化物の嗜好性を制御する視床下部ニューロンの発見。絶食したマウスは炭水化物食を摂取して代謝を速やかに改善します。この行動に,視床下部室傍核に存在するAMP キナーゼ制御CRH(corticotropin-releasing hormone)ニューロンが,必要であることを明らかにしました。

2020minokoshi-2.jpg図2 空腹に伴い味覚を変化させる視床下部神経ネットワークの同定
空腹時に視床下部の摂食亢進神経AgRP 神経が活性化し,外側視床下部を中継点として甘味嗜好性の上昇および苦味の感受性の低下を誘導することを明らかにしました。

 

代表的な論文情報

*Y. Minokoshi, et al., Nature 415, 339, 2002.
*Y. Minokoshi, et al., Nature 428, 569, 2004.
*T. Shiuchi, et al., Cell Metab 10, 466, 2009.
*S. Okamoto, et al., Cell Reports 22, 706, 2018.
*O. Fu, et al., Cell Reports 27, 1650, 2019.
*O. Fu, et al., Nat Commun 10, 4560, 2019.
*Molecular mechanism for the hypothalamic regulation of whole body energy metabolism
*Hypothalamic modulation of taste and nutrient perception