Research

研究活動

セミナー詳細

2017年12月14日

大脳皮質5層の細胞タイプ特異的なマイクロカラム

日 時 2017年12月14日(木) 16:00 より 17:00 まで
講演者 米田 泰輔 博士
講演者所属 理化学研究所脳科学総合究センター、局所神経回路研究チーム
場 所 明大寺地区 生理研一階大会議室
お問い合わせ先 吉村由美子(視覚情報処理研究部門、7731)
要旨

 大脳皮質では多様な神経細胞が複雑な神経回路網を形成している。ネコやサルの視覚野においては、似たような応答選択性を示す神経細胞は、方位選択性カラムや眼優位カラムのような機能ユニットを形成する。しかしながらこれらは一部の皮質領野に限局しており、皮質全域に共通した機能ユニットがあるかは不明である。
 我々はマウスの様々な皮質領野において、大脳皮質5層の主な出力細胞である皮質下投射細胞が尖端樹状突起方向に並び、微細なカラム状の配置を取ることを明らかにした。また大脳皮質5層の異なるタイプの興奮性ニューロンおよび抑制性ニューロンは、細胞タイプ特異的なマイクロカラムを形成することを示した。さらに我々は様々な皮質領野において2光子カルシウムイメージングを行い、尖端樹状突起方向に並んだ皮質下投射細胞ペアが高い自発活動相関を示すことを明らかにした。また視覚刺激下の視覚皮質では、個々のマイクロカラムに含まれる細胞は類似した方位選択性と眼優位性を示した。
 これらの結果はマイクロカラムが大脳皮質に共通した機能ユニットである可能性を示唆する。