昼食セミナー

日 時 2012年03月26日 12:20~13:20
場 所 職員会館2F大会議室
演 者 纐纈大輔 先生(生体システム研究部門)
演 題 マーモセットは神経科学研究のモデル動物になりえるか?~覚醒下マーモセットの神経生理学と遺伝子ノック・ダウン法の応用~
要 旨

マーモセットは小型の霊長類(体重300-400 g)で扱いやすく、遺伝子改変マーモセットや脳障害モデルも報告されていることから、神経科学の分野におけるモデル動物としての利用が期待されている。しかし脳の構造をヒトやマカクザルなどと比べると大きさや脳溝など異なる点もあり、どの程度利用できるかは未知数である。当研究室では今後の神経科学での利用を見据えて、覚醒下での神経活動記録を確立した。そして運動関連皮質のマッピングをし、領野間の神経連絡を調べた。マカクザルではアプローチが難しい大脳皮質3a野の神経ネットワークについて解析を行った。  また分子生物学的手法の応用はマーモセットの大きな利点である。運動の制御における大脳基底核のドーパミン投射の役割を解明するために、線条体のドーパミンのD1受容体とD2受容体のそれぞれを選択的にノック・ダウンしたマーモセットを作製し、行動の変化と大脳基底核の細胞活動の変化を測定した。本セミナーでは以上の研究から得られた結果と共にマーモセットの可能性についても紹介していきたい。

連絡先 石橋 仁(生体恒常機能発達機構研究部門、内線 7854)