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聴覚皮質に関連した最近の２つの研究結果について述べる。

１．動物（モルモット）にノイズ様自然音に対する条件付け学習を行い、聴覚皮質活動の可塑的変化を光計測法を用いて計測した。条件付けを行わない動物群（コントロール群）と条件付け群で、条件付け音とその時間逆転音（非条件付け音）に対する聴覚皮質の活動を比較すると、コントロール群では両者に対する活動が現れるのに対して、条件付け群では時間的逆転音に対して活動が現れないという結果を得た。この神経機構について議論する。

２．レーザー光を皮質に照射すると神経活動の抑制や増強が起きることがこれまでに報告されている。今回、近赤外（NIR）および赤色（RED）レーザー光を聴覚皮質に照射し、聴覚誘発電位を指標として、神経活動抑制の時間特性やレーザ強度および波長依存性について計測した。レーザー強度と活動振幅との間には波長に依存した強い負の相関があるが、皮質の温度上昇との間にも波長に依存しない強い負の相関が認められた。これらの結果からレーザー照射による皮質活動抑制の機序について議論する。