所長招聘セミナー

日 時 2013年09月26日 13:30~14:30
場 所 山手3号館2階 西大会議室
演 者 深澤 有吾 先生(名古屋大学大学院医学研究科 機能構築医学専攻 分子細胞学分野)
演 題 生体分子の微細空間分布から生理的現象を理解する試み
要 旨

神経細胞の個々の機能は生体分子の相互作用により実現されているので、適切な機能発現のためには、機能に関わる分子が組織化し効率良く特定の相互作用が起きる場(機能ドメイン)を形成していると考えられる。そこで、各神経細胞の機能に関係する分子を同定し、その生化学的性質を明らかにすると同時に、関連分子の空間分布を神経細胞の持つ微細構造上で定量的に明らかにすることが、神経細胞機能を支える分子メカニズムの理解に有効であると考えられる。しかし、シナプスや軸索起始部など神経固有の機能を創出する機能ドメインは光学顕微鏡レベルでは正確な形態情報を取得できないほど小さく、また、定量的に脳内分子の局在を検出・可視化することも技術的に困難であった。  そこで演者らは、効率良く分子局在を可視化できるように各種の局在解析法を改良しながら、シナプスを中心にその分子分布と形態を電子顕微鏡レベルで解析してきた。本発表では脳内分子の局在と超微細構造を定量的に解析し、その機能的意義や個体レベルの表現型との対応について検討した研究成果を中心にご紹介する。

連絡先 川口泰雄(大脳神経回路論研究部門 内線5281)