所長招聘セミナー

日 時 2014年01月07日 15:00~16:00
場 所 山手3号館2階西 セミナー室
演 者 冨田拓郎 先生(九州大学大学院薬学研究院 創薬育薬産学官連携分野)
演 題 受容体活性化カチオンチャネルとその生理的重要性
要 旨

細胞膜受容体を介した細胞内カルシウム ( Ca2+) 濃度変化は、細胞 の増殖、分化あるいは細胞死といった細胞の生理応答に重要である。受容体刺激 に惹起される Ca2+流入はphospholipase C (PLC) により制御され、 ストア作動性Ca2+ 流入(SOC) および受容体作動性Ca2+ 流入 (ROC)に大別され る。これらカルシウム流入は、細胞内のグローバルなカルシウム動態というより は、むしろ細胞膜局所のカルシウム上昇を担う。その生理的重要性を、B細胞受 容体 (BCR)シグナル伝達機構におけるTRPC3の重要性、SOCの必須構成因子 STIM1・Orai1の新たな制御機構と皮膚組織、特に皮膚角化細胞における重要性お よびTRPC6の血管リモデリングにおける重要性を紹介する。これらの研究から見 えてきた問題点や将来的な研究展開について議論したい。

連絡先 西田基宏(心循環シグナル研究部門)