部門公開セミナー

日 時 2014年04月04日 16:00~
場 所 生理研明大寺地区1階セミナー室
演 者 橘 吉寿 先生(統合生理学研究系 生体システム研究部門)
演 題 我慢をする脳内メカニズム ー視床下核の新たな機能を探るー
要 旨

視床下核は、大脳基底核の主要な入力部の一つである。もうひとつの入力部である線条体、あるいはドーパミン細胞が脳研究の花形であるのに対し、視床下核はとりわけ忘れられた存在と言えるのではなかろうか。しかしながら、この小さな核には重要な機能が隠されている。実際、視床下核が破壊されるとバリスム(不随意運動のひとつ)が生じる。また、パーキンソン病の発現に視床下核の活動亢進を伴う報告が数多くなされている。このように、視床下核は運動制御、とりわけ「運動抑制」に深く関与すると考えられてきた。この運動機能に加えて、視床下核と認知・情動を司る大脳皮質との線維連絡が最近報告された。今回の発表では、情動に基づく行動制御、なかでも、我々の日常生活に重要な「我慢する」という機能が視床下核に備わっていることを紹介したい。

連絡先 南部 篤(生体システム研究部門,内線7771)