聴覚刺激間隔における1/fn ゆらぎのミスマッチフィールド(MMF)形成に及ぼす影響
原田 暢善 2、増田 正 1, 2、遠藤 博史 1, 2、中村 亨弥1、武田 常広 3,2
1通商産業省工業技術院 生命工学工業技術研究所、2科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業、3東京大学大学院 新領域創成科学研究科
ヒトが環境中の変動する刺激の中に存在する規則性を抽出する能力が、脳内のどのような部位・機能に基盤を持つかについて明らかにしたいと考えた。ランダムに変動させた聴覚刺激間隔の中に規則性を増加させた時、すなわち、刺激間隔のゆらぎを1/f0ゆらぎ、1/f1ゆらぎ、1/f2ゆらぎ、1/f∞ゆらぎ(一定間隔)、の4条件で与えたときに、聴覚刺激により引き起こされるミスマッチフィールド(MMF)の形成がどのように変化するかについて検討した。低頻度刺激条件と高頻度刺激条件の差分から得られる波形の振幅の二乗平均の値を、各被験者、各条件ごと計算し、ゆらぎのべき乗で比較したところ、ゆらぎのべき乗の増加とともに振幅の二乗平均の値が有意に増加することが明らかになった。このことから、ゆらぎのべき乗が変化すること、すなわち規則性が変化することが、MMFの形成に影響を与えることが明らかになった。
発表形式: OHP
希望発表時間:30分