fMRIの結果から位置を固定してMEGダイポールを解く方法の検討

藤巻則夫、早川友恵、Matthew Nielsen、宮内哲

郵政省 通信総合研究所

[はじめに] "ill-posed"であるMEGマルチダイポールの逆問題を解くため、 fMRIの情報を利用することを検討した。 [方法] 空間的に拡がるfMRI脳活動領域にどのようにダイポールを配置すべきかについて、シミュレーションで検討した。(1)ダイポール1つを模擬的に作成した脳磁界に対して位置固定の制約下でフィットし、磁場がよく合うための位置許容範囲を求めた。(2) 2つのダイポールをフィットし、互いの影響(crosstalk)が小さくなるための分離許容範囲を求めた。また(1)と(2)の結果を使い、内語課題の実験データ一例を解いた。[結果と考察] 最小の位置許容範囲は磁場correlation>85%の条件下で2 cm、最大の分離許容範囲はcrosstalk<70%の条件下で接線方向に4 cmであった。特に後者は、磁場のフィッティング特性に由来する空間的な異方性が強かった。これらの許容値を元に実測データを解いたところ、11個の有意なダイポール群が抽出できた。これらは左上側頭後部(潜時203-210 ms)と左下前頭部(247-272 msおよび416-427 ms)の内語処理部位の活動を含んでおり妥当と思われる。

発表形式: OHP
希望発表時間: 30分