骨導超音波知覚時の脳活動計測

中川誠司*,阪口剛史**,西村忠己***,山口雅彦*,外池光雄*,細井裕司***,今泉 敏****,渡辺好章**

*電子技術総合研究所,**同志社大学,***奈良県立医科大学,****東京大学

 超音波であっても骨伝導で知覚できる.さらに,この骨導超音波は高度難聴者であっても知覚できる場合があることが知られている.我々は,骨導超音波を利用した補聴システムの構築を目的として,その知覚特性の研究を行ってきた.しかしながら,骨導超音波知覚の神経生理学的メカニズムには,依然として不明な点が数多く残されている. 我々は,誘発脳磁界計測(聴覚健常者および高度難聴者)および誘発電位(聴性脳幹反応,聴覚健常者)計測を行い,骨導超音波知覚のメカニズムの解明を試みた.その結果,聴覚健常者,高度難聴者に関わらず明瞭なN1m成分の出現が認められ,その等価電流双極子は聴覚野内に推定された.また,聴性脳幹反応の II〜V波の出現を認めた.

発表形式: パソコン
希望発表時間: 30分