視覚/聴覚オドボール課題に関連する脳内神経活動の可視化
岩木 直*, 平田 直也* **, 外池 光雄*, 山口 雅彦*
*電子技術総合研究所 大阪ライフエレクトロニクス研究センター **近畿大学 理工学部
視聴覚における新奇刺激の検出処理に関して,これまでオドボール課題を用いた多くの研究が行われており,刺激呈示後300ms前後でP300と呼ばれる特徴的な成分が観測されることがよく知られている.しかしながら,この成分に対応する脳内活動分布の複雑さから,従来の少数個の電流双極子による解析ではその詳細を明らかにすることは非常に困難で,脳内の神経活動のダイナミクスは未だ明らかにされていない.本研究では,高次機能に対応する複雑な脳活動を,MEG計測を用いて,一組の測定条件間における活動の差として視覚化する方法を提案し,これを用いて視覚および聴覚各モダリティにおける新奇刺激検出に関わる複雑な脳内神経活動分布の可視化を試みた.この結果,新奇刺激の検出には,潜時300
ms前後における,刺激入力モダリティ依存/非依存の複数の脳内部位における神経活動が関与していることを示した.
発表形式:パソコン
希望発表時間: 20分