ウェーブレット変換を用いたMEGノイズ除去法とその適用
〇小野 弓絵[1],石山 敦士[1],外池 光雄[2],山口 雅彦[2],葛西 直子[2]
1.早稲田大学、2.電子技術総合研究所
昨今、MEG計測は脳のより高次の機能に応用されようとしている。このような高次機能に対する誘発脳磁界反応は、その大きさも一次応答などと比べると小さいために、高いS/Nでの測定が難しい。また、少ない加算平均回数でMEG測定を行うことは、被験者の頭の動きの影響を小さくすることができ推定精度の向上につながる。これらの理由から、MEGデータのS/Nを改善する目的で、ウェーブレット変換を用いた時間-周波数解析によるノイズ除去法を開発した。従来のフーリエ解析と比べ、ウェーブレット解析は周波数情報と共に時間情報が得られるため、時間軸に対して局在的なMEG信号成分を抽出する手段として有利である。本ノイズ除去法を様々なS/Nで測定された聴覚MEGに適用してその有用性を検証し、さらに被験者の慣れの影響が大きくノイズを多く含んでしまう嗅覚MEGに対してもこれを適用して精度の高い信号源推定をめざした。
発表形式: OHP
希望発表時間: 30分