MEGによる機能診断を正確に手術に応用する工夫
落合真人,大平貴之,大泉太郎,金子康生,木村重仁,河瀬 斌
慶応大学脳外科
【目的】CT,MRI,3ーD画像は形態診断法として確立されている.また,機能診断はこれまで主に電気生理学的手法でしか評価できなかったものが,ここ数年functional MRIやMEGにより形態と機能を同時に評価することが可能になってきている.特にMEGはてんかん焦点の同定や術前の機能mappingに有用であり,mm単位で機能同定ができるとされる.この正確な機能位置情報を手術中に正確に応用するために,MEG画像のNavigationへの応用を試みた.
【方法】CT,MRIを1.5mm程度のthin sliceで撮影し,データをUGWサーバ(GEYMS社製)にオンラインで転送する.MEG検査を施工しSEF,AEFのdipole信号源を推定しこの結果を転送されたMRI上に表示し,さらにこのMRI画像をNavigation装置に応用している.MEG装置は横河電機社製,Navigation装置は三鷹光器社製Brain Pointerである.
【結果】MRI画像の転送に使用しているUGWサーバはオンラインであり枚数の多い画像情報も容易に転送可能であり精度も劣化しない,またACRーnemaのファイル形式で保存されているため利用も容易である.Navigation装置であるBrain Pointerは,MacintoshのパソコンでコントロールされているためMEGによる機能画像(Windows NT)を容易に取り込むことが可能であり有用である.
【結論】Neuronavigation装置,MEGの利用により機能画像をmm単位で手術に応用することが可能になり非常に有効であった.