MEGを用いたてんかん発作性の失語症状を有する症例の検討
山田康一郎 白石秀明 渡辺裕貴 八木和一
国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
失語症状はBrocaに端を発した脳損傷者の研究以来多くの症例検討や脳機能マッピングあるいは画像診断の発達とともに病巣の部位との関係が明らかになってきた。我々てんかん医療に従事する立場では臨床上失語症状を呈するてんかんの症例はしばしば経験するところであるが、てんかん患者の失語症状は大きく分けると発作性の失語と発作後の欠落症状としての失語に分けられるであろう。今回我々は発作症状としての失語(すなわち単純部分発作ということになるが)を呈する症候性部分てんかんの症例について MEGを用いてECDの局在とその症状について検討を行ったので報告する。