Multi modalityの中のMEG ? PET, fMRIとの共存、自己主張 -

 

中村昭範,加藤隆司,伊藤健吾,永野敦子,山田孝子*,阿部祐士*,堀部賢太郎*,加知輝彦*

長寿医療研究センター生体機能研究部,*国立中部病院神経内科


MEG,PET,fMRI等有力な脳機能計測機器の発達する中でMEGがどのように共存し、また自己主張していくべきか、いくつか検討を行ってきたので中間報告を行う。

  1. O15H2O-PET activation studyとMEGの相補的利用
  2. MEGの併用により時間解像度の低いPETのデータに時間的情報を付加できる。一方PETのデータはMEGの電源推定に説得力を加え、多電源推定のモデル作成にも役立つ。

  3. MEG-guided ROI Analysis
  4. 脳の機能地図により厳密に対応した部位の代謝情報の比較検討ができることを期待して、MEGのdipoleの位置を元にROI(region of interest)を設定して、FDG−PETのデータ分析を行うことを試みた。これにより非常に限局した部位の電気的なfunctionとglucose代謝からみたfunctionの対応を検討することが可能で、本方法は脳機能のより詳細な解明にもしかしたら役立つかも知れない。

  5. MEG推定電源の標準脳への投影

ヒトの脳の形態は個人差が大きく、またMEGのデータも個人差が大きいため、個人間でのデータの比較は困難なことも多い。PETやfMRIのデータ分析では、脳の解剖学的標準化という手法を用いて個人間のデータを比較することが広く用いられるようになってきている。今回SPM96(Statistical Parametric Mapping)を用いて脳の標準化を行い、その標準脳にMEG推定電源を投影して個人間の比較ができるか否か検討を行った。Dipoleを標準脳上に投影することは可能であり、標準脳上の座標を用いれば個人間の比較も可能となりそうである。