聴覚誘発電位と磁場に対する刺激間隔と休憩の効果
鬼塚俊明1)2)、二宮英彰1)、佐藤栄剛1)、山本智矢3)、田代信維1)
1) 九州大学医学部 神経精神医学教室
2) 白十字病院
3) 九州大学医学部 耳鼻咽喉科学教室
聴覚P50は重畳電位である可能性があると思われる。この仮説を検証するため、刺激間隔 と休憩を操作し、P50、P50m、N100、N100mを同時記録した。健常右利き成人12名(平均25歳、男性6名、女性6名)を対象とした。4条件で聴覚誘発反応を記録した:(1) 1.5 s/rest、(2) 1.5 s/successive、(3) 0.5 s/rest、(4) 0.5 s/successive。各条件とも聴覚刺激を880回呈示した。P50、N100、P50m、N100mの潜時と振幅、それらの双極子を調べた。P50振幅には刺激間隔の有意な効果を認めなかったが、 P50m振幅は刺激間隔が0.5sの条件で減少した。一方、N100とN100m振幅は刺激間隔が0.5 sの条件で減少し、休憩を入れた場合、増大した。P50mの双極子はN100mの前方で若干深部に推定され、両方とも聴覚一次皮質に推定された。これらの結果はP50の電位に両側側頭葉上面以外の電位、central structureの電位がP50に関与し 、P50は重畳電位であることを示唆している。