言語音(「あ」)と非言語音(ホワイトノイズ、純音1kHz)刺激による聴覚誘発脳磁場の検討;Lateralizationを中心に
平野哲雄1)、高梨芳彰2)、吉川健治3)、岩本一秀2)、山本孝徳2)、大嶋英之
4)、広田明人5)、馬場俊輔5)、中島健二2)
1)京都府立心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院
2)京都府立医科大学神経内科
3)京都府立医科大学第二生理学教室
4)京都府立医科大学脳神経外科
5)京都府立医科大学歯科
言語音(母音「あ」)と2種類の非言語音(ホワイトノイズ、純音1kHz)の3音を刺激音として、健常者のAEFを検討した。
刺激音の長さは140ms、70HLの音圧で、イヤチューブを介して片耳刺激した。3音は、刺激間隔を2.5から3.5秒の間でランダムに呈示した。島津製作所製SBI-100(129チャンネル、ベクトル型)により、側頭部にデュアを当て、それぞれ100回加算した。左耳刺激と右耳刺激を、それぞれ反対側記録、同側記録した。閉眼で音を聞く(コントロール)、閉眼で母音を数える(タスク)の二つの条件で行った。被験者は、正常成人男子3名である。
3音とも、N50m、N100mと潜時200ms前後の、3つのMEGpowerpeakが観察された。左半球記録で、3番目のピークでは「あ」のpowerが最も大きい傾向があり、右半球記録ではこの傾向は一定ではなかった。この傾向について、音の種類、利き手、音への注意などとの関連から考察する。