パターンリバーサル刺激および文字オンセット刺激による視覚誘発脳磁図の比較

 

畑中啓作1、奥田次郎2、鈴木匡子2、大塚祐司2、中里信和3、菅野彰剛4、永松謙一3、

吉本高志3

エレクタ1、東北大学医学部高次機能障害学2、東北大学医学部脳神経外科3,

広南病院療護センター4


視覚誘発反応の研究で重要な要素のひとつはどのような視覚刺激を使用するかである。われわれはパターンリバーサル刺激による中長潜時N75-P100-N145成分の信号源同定、刺激色による誘発反応の変化、後頭葉病変の症例の検討から、これらの成分は、視覚情報が高次視覚野で処理された後、再度一次視覚野に戻った際生じるという新しいモデルを提唱した。しかしながら、高次視覚野の活動そのものは観測できなかった。今回、視覚刺激として、単一文字(かな、漢字、数字、記号)のオンセット刺激(1Hz、持続時間0.1s)を使用して視覚誘発脳磁図を測定した。その結果、文字刺激の場合には刺激後約100ms以降に、一次視覚野−高次視覚野−視覚連合野と時系列的に同定されるいくつかの誘発反応を観測することができた。これら2種類の視覚刺激による誘発反応の違いをもとに視覚信号がどのように処理されるかについて考察する。