宝珠山　稔、柿木　隆介

生理学研究所

経皮的神経電気刺激（TENS）の痛み関連誘発脳磁場（Pain-related evoked corticalmagnetic fields, PRMF）および脳電位（Pain-related evoked potential, PREP）への影響を観察した。方法：左右の示指への電気による痛み刺激に対する脳反応を、右前腕への TENS の前後で記録した。結果：Czから導出されたPREP成分（N150、P220）は TENS の後に振幅の漸減を認めたが、PRMF に変化は認められなかった。考察：TENS は PREFの反映する皮質成分には影響を与えず、PREFの発生源はPREPの発生源と異なると考えらた。TENSの前後で自覚的な痛みの感覚は変らず、減衰したPREPの成分は痛み感覚に直接関連しないと推察された。