視覚性運動知覚の質と脳磁場反応
川上 治1,2,金桶吉起1, 関口貴裕1,3,山崎 浩1,柿木隆介1
1生理学研究所,2小山田温泉記念病院,3大阪大学人間科学部
視覚性仮現運動を誘発する刺激条件を変えることで、運動知覚の程度を変化させ、脳磁場反応とどう対応するか検討した。対象は健常男子5名。仮現運動刺激には、2本のLEDを用い刺激間隔(ISI)を-140msから+250msまで変化させ呈示した。同じ刺激を用いて心理物理実験を行い、ISI変化に対する運動知覚程度を評価した。脳磁場反応のRMSの最大振幅は、ISI=0ms付近で最大となり、心理物理実験における知覚程度とよく相関していた。この反応の電流双極子は、ISIに関係なくヒトのMT/V5付近に推定され、同部位の神経活動は運動知覚の質にも関係する可能性が示された。