Ramdom dots blinking:視覚連合野反応の新しい検出方法

 

大草知裕, 金桶吉起, 柿木隆介 

生理学研究所


視覚的形態の知覚にかかわる皮質領域を特定するため、被験者に瞬間呈示される文字の識別課題を課して、右後頭葉付近から誘発脳磁場を測定した。呈示時の輝度変化の無い新しい刺激方法(Random Dot Blinking, RDB)を用いた。呈示時間の長さで視認性を変え、誘発磁場と識別成績とを比較した。

その結果、刺激呈示後300ms付近に最大振幅を持つ反応が全被験者から得られた。最大振幅時の磁場強度は呈示時間の増加に伴って大きくなった。また識別成績も同様に向上し、磁場強度と識別成績との間には関連性が見られた。電流双極子は紡錘状回近辺に推定された。皮質の第一次視覚野からの反応は検出できなかったが、これは脳磁場が加算平均により打ち消されたと考えられる。以上により、この領域の活動が形態情報処理に関わっていることが示唆された。