注意が視聴覚情報処理に及ぼす影響のMEGによる評価
岩木 直,外池 光雄,山口 雅彦,浜田 隆史
電子技術総合研究所 大阪ライフエレクトロニクス研究センター
我々は,視覚ー聴覚間での注意の分割が,それぞれの脳内情報処理に及ぼす影響の評価を目的として,全頭型SQUID磁束計を用いた脳磁界計測実験を行った.
視聴覚間における選択的注意については,これまでに,EEG/MEGあるいはfMRIやPETを用いた実験が行われており,ERPにおけるnegative displacement(Nd)や,一次感覚野におけるrCBFの増加等が報告されている.
本研究では,被験者に(i)視覚刺激への選択的注意,(ii)聴覚刺激への選択的注意,(iii)視覚・聴覚への注意の分割,の3条件下での,視覚あるいは聴覚刺激に対する弁別課題を課して,課題遂行中の脳磁界の計測と解析を行い,視覚あるいは聴覚への選択的注意条件における,視覚野あるいは聴覚野近傍でのMEG信号強度の増大を確認した.さらに,それぞれの注意条件下における測定結果から,信号源分布の推定を行い,注意による脳内活動の修飾の定量的な評価を行う.