視覚
P10等輝度色度空間周波数特性の脳磁応答解析
江島義道1, 大谷芳夫2, 芝崎俊幸2, 若生 秀1, 岡村昇一3, 吉田佳一3,外山敬介3
3次元ベクトル型脳磁計測システム
(Shimadzu SBI-100)を用いて、等輝度(赤?緑、黄?青)正弦波格子パターンに対する脳磁応答を、格子パターンの空間周波数を変数として測定した。その結果、2つの潜時で大きな脳磁応答が見られた。これら2つの応答のピーク潜時はともに空間周波数に依存し、空間周波数が高くなるほど長くなった。ピーク潜時の逆数を縦軸、空間周波数を横軸として特性表示すると低域通過型の特性となった。この特性を心理物理学的に求めた知覚的な等価色度コントラスト感の空間周波数特性と比較した。この知覚的空間周波数特性は、脳磁応答の早期成分よりも、後期成分の周波数特性とより高い一致を示した。単一電源推定法による解析では、早期成分に対しては第1次視覚野に電源が推定され、後期成分に対しては第4次視覚野近傍に電源が推定された。以上から、知覚的色度空間周波数特性には第4次視覚野の応答特性が反映されると推定された。