視覚 P11

前頭葉に見られる視覚誘発脳磁場

 大賀辰秀, 長峯 隆, 矢澤省吾, 松本理器, 吉谷和泰, 柴崎 浩
 京都大学医学部臨床脳生理

 

【目的】前頭葉に見られた視覚誘発脳磁場の検討
【方法】
10名の正常被験者に対し、視覚誘発磁場を記録し、前頭葉の反応に注目した。(単純刺激課題)持続10msec、刺激間隔0.8?1.2秒で点滅するLEDを両眼視にて注視する。(注意課題)持続10msec150msecの刺激をそれぞれ80%20%の頻度で、0.8?1.2秒の刺激間隔で提示し、低頻度刺激の提示回数を数える。両課題とも、10msecの刺激に対する反応を比較した。
【結果】
単純課題において、全員に両側の後頭葉に平均頂点潜時111 msecの反応が得られ、さらに、5名には右前頭葉、1名には両側前頭葉にも頂点潜時199msec~383msecの反応が認められた。前頭葉に反応の見られた6名のうち3名では、前頭葉の反応は注意によって増強した。
【結論】
LED刺激によって、前頭葉外側面にも(部位は必ずしも一定しないが)反応が誘発され、その反応は注意効果によって増強される。