臨床応用 1-P4

側頭葉てんかんにおける突発波の伝播

菅野彰剛1, 立谷美和子1, 藤原 悟1, 社本 博2, 中里信和2, 永松謙一2,岩崎真樹2, 吉本高志2, 畑中啓作3
 1広南病院療護センタ?脳神経外科, 2 東北大学脳神経外科, 3 エレクタ(株)

 MEGにおける側頭葉てんかんの突発波に対して,これまで棘波頂点付近の信号源解析に基づいた分類が報告されている.われわれは頂点にいたる前の早期成分に着目し,ヘルメット型脳磁計を用いて信号源解析を行なった.対象は側頭葉切除術で発作が消失し,焦点側が確定した症例である.MEGにおける棘波の立ち上がりから頂点までの時間内で信号源は,立ち上がりの早期では焦点側の側頭葉に限局することが多かったが,頂点に近づくにつれ,対側側頭葉,側頭葉外に分離し明瞭なダイポールパターンを呈した.
これら焦点外の信号源の持つ意味には検討を要するが,焦点同定という臨床的な目的からは棘波の早期成分を重視すべきである.