高次脳機能
1-P15MEG
によるしりとり課題遂行時の脳機能局在の可視化 大阪大学大学院・医学系研究科・神経機能医学講座・精神医学
鵜飼聡、篠崎和弘、石井良平、藤本記人、川口俊介、武田雅俊
同脳神経外科 吉峰俊樹、 同放射線科 平吹度夫
【方法】6名の右利きの健常被験者を用いて、発声を伴わないしりとり課題遂行時のMEGをSAM法を用いて解析した。1回20秒の上記課題を8回施行し、脳内の電流源密度分布の変化を帯域ごとに推定し、MRI画像に重ねて視覚化した。
【結果】8-25Hzの帯域において被験者間で安定した結果が得られた。6例中5例で左側の下前頭回後部を中心に神経活動の増加を示唆する電流源密度分布の低下が、そのうち2例では右側の同部位にも低下がみられた。6例中4例で左側の上側頭回後部を中心に電流源密度分布が低下し、うち2例では右側の同部位でも低下がみられた。6例中3例で側性化は明らかではないが前頭前野での神経活動が推定された。
【考察】本課題遂行時に優位半球側の下前頭回後部に加えて多くの例で上側頭回後部が活動することが示された。さらに劣位半球側の同一部位でも神経活動の生じる例のあることが示唆された。