高次脳機能 1-P17

仮名文字を用いた記憶関連課題における脳磁界計測と解析

 竹内文也1, 栗城真也1,小山紗智子2,柿木隆介2
  1北海道大学電子科学研究所, 2生理学研究所

 仮名文字を用いて,視覚的に呈示された言語による記憶関連課題を作成し,前頭から側頭付近の反応に注目して脳磁界を計測し解析を行った。課題は2個の刺激列からできており,いずれも6個の抽象名詞が1個ずつ呈示される。被験者には,はじめの刺激列の単語を覚えてもらい,それに続く刺激列では呈示された単語が一つ前の刺激列で呈示された単語であったか否かを答えさせた。単語呈示開始をトリガとして誘発脳磁界応答を計測した。BTi製の37ch-SQUID磁束計で計測を行った5名の被験者における左半球の潜時300-1000msの応答では,シルビウス裂後端を中心に、前頭や側頭底部,後頭の広い範囲で信号源が推定された。これらの結果は、計測位置を変えて測定を繰り返して得たものである。そこで、同時に広い範囲の脳活動を調べるため、Neuromag204chの全頭型SQUID磁束計を用いて1名の被験者について計測を行い、再現性の確認を試みた。その結果、潜時200ms以降でシルビウス裂後端付近や後頭の視覚領で顕著な活動がみられた。今後は、204ch-SQUIDで複数の被験者に対して測定を行う予定ある。