味覚・嗅覚 P20

嗅覚情報処理に関わる脳内部位推定(2)

 綾部早穂1, 小早川達2, 後藤なおみ2, 斎藤幸子2
  1筑波大学心理学系, 2生命工学工業技術研究所

 精度の高い嗅覚誘発電位・磁場を計測するためにはニオイの提示方法に留意する必要がある。昨年の本会で、常時鼻腔内に供給する空気中にニオイをパルス状に取り込むKobal式オルファクトメータでニオイを提示すると、嗅覚系だけをモノモダルに刺激することができ、この場合に嗅覚刺激に対する顕著な脳の電気的活動が計測きることを報告した。今回はデータを増やして得られた知見を報告する。MEG計測には全頭型SQUIDシステムを利用し、EEGMEGと同時に計測した。EEGP1(潜時約330ミリ秒)N1(430ミリ秒)P2(560ミリ秒)成分に対応した潜時でMEGの信号も大きくなり、球モデルを用いた推定の結果、活動源はいずれの場合も両側の側頭葉の限局された部位にあった。現在、実モデルを用いた推定を行い、球モデルの結果との比較検討を行っている。