体性感覚
P25第一次体性感覚野の相互干渉作用
石橋秀昭1, 森岡隆人1, 福井仁士1, 飛松省三2, 重藤寛史2, 山本智矢3
1九州大学大学院医学系研究科脳神経外科,
2九州大学大学院医学系研究科臨床神経生理,
3九州大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科
第一次体性感覚野の相互干渉作用を電気刺激を用いて解析した。方法:健常成人6人を対象とし感覚域値の3倍の電気刺激を右第2, 3, 5指に各々加え、また2指と3指および2指と5指を同時刺激し、体性感覚誘発磁場を左頭頂部で測定した。2指,3指および2指,5指の各々の刺激で得た波形を単純加算したものと、同時刺激で得た波形の各N22m, P30m, P60m振幅を比較して相互干渉率を算出した。結果:N22m振幅とP60m振幅では単純加算に比べ同時刺激で減弱する相互干渉が認められ、相互干渉率は2指-5指より2指-3指同時刺激の方が大きかった。また2指, 3指, 5指の電流双極子の位置は中心溝に沿って尾側外側から頭側内側にかけて順に並ぶ体部位局在を認めた。P30mでも同時刺激で減弱する相互干渉が認められたが2指-3指と2指-5指に有意差はなかった。また電流双極子の体部部位局在も認めなかった。考察:N22mとP60mでは各指に対応する体部位局在が存在し、その相互干渉は受容野が近いほど大きかった。一方P30mは明かな体部位局在がなく相互干渉も個体差がありN22m, P60mとは異なる皮質機構があると考えられた。