体性感覚 P27

SQUID磁束計を用いたネコの脊髄誘発磁界の測定

 川端茂徳、小森博達、持田 潔、大久保治修、四宮謙一
 東京医科歯科大学 整形外科

【目的】脊髄・末梢神経活動磁界測定を目的にセンサーを設計・作成し、ネコの脊髄誘発磁界を測定したので報告する。
【測定装置】
脊髄磁界測定に至適なセンサーの配置、配向を検討するため、センサーの方向が三次元的に互いに垂直になるように3方向のセンサーを配置した。また、正確な伝導速度の計測のため、サンプリング周波数は80kHzとした。
【対象および方法】
成猫を静脈麻酔後、頚椎椎弓を切除し硬膜管を露出した。下位胸髄を電気刺激し、頸髄の誘発磁界を測定した。硬膜管の背側平面上を1cmの間隔で2530ヶ所、脊髄活動磁界を測定した。測定後、脊髄を切断し再度磁界を測定した。
【結果】
皮膚に平行なセンサーによる磁界分布は四重極子パターンとなった。他の2方向のセンサーによる磁界は脊髄の直上で最大の振幅が測定された。伝導速度は100120m/sであり電位測定の結果と適合した。脊髄切断後、切断部で磁界の伝導ブロックを認めた。