体性感覚
P28末梢神経における複合神経活動磁界の実験的計測
猪飼隆
順天堂大学整形外科
【目的】末梢神経障害における活動磁界計測の臨床応用のために,末梢神経から発生する活動磁界に関して基礎的研究を行い,その磁界生理学的な知識を蓄積すること.
【方法】蛙の坐骨神経を摘出し,磁場の影響のないチャンバー上におき,4Hz,0.2msec,0.6mAの矩形波で刺激する.活動磁界の計測は,NTT基礎研究所内にある7チャンネル2次勾配型SQUID磁束計(Bti社Model607)を用いて行った.
【結果】2相性の波形が観測され,等磁界マップを作成すると,脱分極と再分極に伴う電流四重双極パターンが神経に沿って刺激部位から末梢に向かい,時間経過に伴い移動するのが観察された.
【考察】末梢神経における活動神経磁界の計測は,1980年Wikswoらにより初めて観測されたが,In vitroにおける神経活動磁界計測の報告は少なく,本報告のような基礎知識が末梢神経の磁界計測を行うにあたり必要と思われる.