臨床応用 3-P31

脳磁図を用いたモヤモヤ病の過呼吸後re-build up波の起源推定

 東北大学脳神経外科 永松謙一,中里信和,吉田康子,白根礼造,吉本高志
 広南病院療護センター 菅野彰剛  エレクタ(株)畑中啓作

 一過性脳虚血症状に左右差のあるモヤモヤ病症例について,自発活動の脳波と脳磁図の同時計測を行った.過呼吸負荷を行いMEG/EEG同時計測を行ったところ、build up波形は検出された全例で全般性活動として検出され,脳磁図においては信号源推定が可能な局在性は示されなかった.一方,re-build up波形は偏側性に出現し,電流双極子型の磁界分布も認められた.この部分で信号源推定を行ったところ,re-build upが検出できた全例で虚血症状の責任部位に一致した大脳皮質領域への局在所見が得られた.モヤモヤ病における過呼吸時のbuild up波とre-build up波の起源は異なり,後者は一過性虚血に陥った領域に起源を有すると考える.