運動 P32

舌運動関連脳磁界

東北大学医学部脳神経外科 中里信和,吉本高志
 東北大学歯学部第二補綴 伊藤秀美
 エレクタ(株)畑中啓作
 国立療養所宮城病院歯科 中原寛子
 広南病院療護センター 菅野彰剛

 舌突出に関連した脳磁図反応を3例の健常人においてヘルメット型脳磁計を用いて計測した.その際,舌尖の突出をモニターしつつ下顎を固定する装置を用い,なるべく純粋に舌運動のみが得られるよう工夫した.全例において,舌尖が歯列に到達する約400ms前から到達時刻にかけて,両側の2個の電流双極子型磁界分布を認めた.信号源は中心溝の直上で前向きの電流として推定された.この反応は,てんかん症例における硬膜下電極留置例で観察されている舌突出運動関連電位に相当し,中心溝前壁 area 4 に起源を有すると考えられる.