運動 P34

手指の動作に伴う脳内処理特性解明のための接触圧とMEGの同時計測システムの構築

 松永祥和1, 小谷賢太郎1, 外池光雄2, 堀井 健1
  1関西大学工学部管理工学科,
  2電子技術総合研究所大阪ライフエレクトロニクス研究センター

 ヒトは、物に触れようとする際の能動運動時に発生する運動ニューロンの活動情報、触れた瞬間に皮膚感覚器より発生する力覚情報、ならびに筋活動により筋紡錘やGolgi腱器官といった感覚器から発生する情報の統合により、手指を連続的に制御することができる。この一連の動作を触知覚作業と称するが、この時の手指の運動知覚と脳内の触知覚・運動の情報処理過程には密接な関係がある。これらのメカニズムを調べるための方法として、手指が対象と接する際の接触圧の強さとその時の脳磁界とを同時に計測する手段が考えられる。本研究の目的は、触知覚作業時の能動的な運動と脳内における体性感覚との相互作用の時空間的特性を明らかにしようとするものであるが、ここでは先ず、接触圧とMEGの同時計測システムの構築について報告する。