運動 P35

反応性運動時の背景脳磁場活動

長峯 隆, 大賀辰秀, 大原信司, 松本理器, 當間圭一郎, 池田昭夫, 柴崎浩
 京都大学医学部臨床脳生理

【目的】自発運動と対比して、反応性運動に伴う運動皮質機構を解明する。
【方法】
赤色(持続6-8秒)と青色(持続2-3秒)が一カ所で交互に持続点灯する標的(径1cm)を注視し、青色の点灯期間中のみ右示指の伸展状態を保持する課題を健常被験者4名に課した。課題遂行時の脳磁場反応を全頭型脳磁図計にて計測し、背景脳磁場活動の変化を解析した。対照として、持続点灯した赤色LEDを固視し、間隔8秒以上の自らのペースで右示指伸展状態を2-3秒間続ける運動を用いた。
【結果】
対側中心部における10Hz 背景脳活動の運動前脱同期化の完成には、自発運動時では2,3秒、反応課題では500ミリ秒以内と所要時間は異なったが、最終的な脱同期化は同程度であった。
【考察】
随意運動に伴う脱同期化の程度は、運動準備時間の長短に関わらず最終的な運動準備状態を反映すると考えられる。